日系カナダ人の戦中

ネルソン滞在中にカスロという町に行きました。
ここには戦時中の日系カナダ人のメモリアルがあります。

第二次世界大戦中、日系カナダ人はカナダ国籍を剥奪され、財産を没収され、内陸部の廃坑の町やゴーストタウンに強制移住させられました。日本が敵国だったという理由もありますが、人種差別も理由にあったことは間違いありません。

家族の男性と女性が引き離され、男性は強制労働につかされました。
こちらは男性の収容所の写真です。
メモリアルにはたくさんの写真が展示されていました。

ネルソンからの帰り道、ニューデンバーという町にもメモリアルがありました。

こちらが「被収容者」が住まわされていた小屋のひとつです。
厳寒の地で、断熱もなく、隙間風が入るような掘立小屋です。

戦争が終わっても、日系カナダ人には内陸部への移住か、日本に帰るかへの選択しかなかったそうです。内陸部での生活は過酷なものでしたが、日本に帰った人々も日本人から差別を受け、生活は楽ではなかったそうです。

1988年にカナダ政府が正式に日系カナダ人に対する不当行為を認め、謝罪しました。

このメモリアルセンター、今ではきれいに手入れされた日本庭園になっています。過去の歴史は消せません。ですが、それを隠匿することなく、きちんと記憶にとどめる努力をしている態度はさすがだと思います。